ラリバール・ヴーズ卿 (Lord Ralibar Vooz/特になし) |
特になし |
ヒューペルボリア時代、ホムクァト王治世下 |
ヒューペルボリア |
ヒューペルボリアのホムクァト王の時代、王の 武勇を誇る貴人にして豪胆な狩猟家だった彼は、現代精神を持つ現実主義者でもあり、邪神ツァトゥグァが棲むと畏れられるヴーアミタドレス山に、家臣を引き連れてヴーアミ狩りに赴いた。 ヴーアミタドレス山に登った彼は、稀少な偶然によって、妖術師エズダゴルの招魂儀式の場に踏み込み、儀式を破壊してしまう。厳重な守りをほどこした重要な儀式を潰されたエズダゴルは怒り狂い、ラリバール・ヴーズに呪いをかけた。呪いをかけられたラリバール・ヴーズは、もはやエズダゴルの命令に逆らえず、妖術師の使い魔である始祖鳥ラフトンティスの案内に導かれ、ヴーアミと戦いながら、ツァトゥグァへの血の貢物として洞窟の奥深くへと潜ってゆく。 しかし、満腹だったツァトゥグァは貢物を必要とせず、ラリバール・ヴーズに新たな呪いをかけ、蜘蛛の神アトラク=ナクアのもとへ貢物として送り出す。しかし、アトラク=ナクアは多忙ゆえにラリバール・ヴーズを喰らう暇はなく、またしても呪いをかけ、貢物として妖術師ハオン=ドルの第一の魔法の館に送り出すのだった。 このようにしてラリバール・ヴーズは、ハオン=ドル、蛇人間、アルケタイプ、アブホースと、ヴーアミタドレスの地下世界をたらい回しにされ、最後にアブホースの呪いによって外世界へと向かわされ、ようやく帰還の機会を得る。 しかし、アトラク=ナクアの橋にさしかかった時、追ってくるアブホースの落とし子から逃れようと急ぎ、アトラク=ナクアの糸が切れてラリバール・ヴーズは地底の谷底へと落下していったのだった。
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C・A・スミス『七つの呪い(The Seven Curses)』 |
マイケル・リー (Michael Leigh/特になし) |
特になし |
不明 |
不明 |
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H・カットナー『セーレムの恐怖(Salem Horror)』 『暗黒の口づけ(The Black Kiss)』 |
エティエンヌ・ルーレ (Etienne Roulet/特になし) |
特になし |
〜1730年代 |
フランス西部、コード |
フランス、コード(Caude)出身のユグノー(フランスにおけるカルヴァン派プロテスタント信者の呼称)であった。フランスでは1598年、アンリ4世による「ナント勅令」によって信教の自由が認められたが、1685年に「ナント勅令」は撤回され、ユグノーは迫害にさらされてドイツやアメリカに多くが亡命した。 エティエンヌ・ルーレ夫妻もその一員であり、1686年、ナラガンセット湾(ロードアイランド島のある湾)の西にあるイーストグリニッチに移住して来た。だが、フランス人というだけでは説明できないほどの敵意によって村を逐われ、北にあるプロヴィデンスの町に移住したという。 エティエンヌ・ルーレは、熱心に農業に携わるよりも、怪しげな書を読んだり妙な図形を描いたりするのが専らだった。しかしその熱烈なプロテスタント信仰と窮状はプロヴィデンスの長老達の同情を集め、1697年にベネフィット・ストリートに家を貸与された。さらに、タウン・ストリート南のバートン・ティリンガースト波止場の倉庫で聖職者の地位に就くことが認められた。 しかし40年後にエティエンヌが没して以降、息子のポール・ルーレが何らかの騒乱に巻き込まれて以来、ルーレ家の消息は途絶えている。彼の住居の裏手にあった墓地にはのちにハリス家の住宅が建てられたが、変死や怪異が相次ぎ『忌み嫌われる家』として知られるようになった。 故郷コードには、16世紀末のジャック・ルーレの人狼伝説が残っている。
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H・P・ラヴクラフト『忌み嫌われる家(The Shunned House)』 |
ジャック・ルーレ (Jacques Roulet/ジャック・ルレ、ジャーク・ルーレ) |
特になし |
16世紀頃 |
フランス西部、コード近郊 |
スペインの魔女裁判官ピエール・ド・ランクルが著した『妖術の不信と無信仰について』に登場する人物。当時フランスで猛威を振るっていた人狼狩りの記録である。『忌み嫌われる家』にも簡潔ながら説明が記されている。 1598年ごろフランス西部、コードの近郊で村人たちが、切り裂かれて死んでいる15歳の少年を発見し、二匹の狼が逃げてゆくのを見た。彼らはその後を追ったが見失った。その時、林の中で血まみれになり、手の爪が肉で固まっている、髭も髪も伸び放題の半裸の乞食を発見した。その人物がジャック・ルーレであり、1598年8月にアンジェーの裁判所で、魔法の膏薬を使って狼に変身して人を殺したと自白した。しかし、精神病だと判断され、精神病院への入院の判決が下された。 明記されてはいないが、『忌み嫌われる家』の語り手が関係をほのめかしており、エティエンヌ・ルーレ、ポール・ルーレの血縁に当たると思われる。彼を題材として『忌み嫌われる家』のルーレ家は創造されたのだろう。
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H・P・ラヴクラフト『忌み嫌われる家(The Shunned House)』 |
ポール・ルーレ (Pole Roulet/ポール・ルレ) |
特になし |
〜1730年代 |
米国ロードアイランド州プロヴィデンス |
エティエンヌ・ルーレの息子。無愛想な男だが奇矯な振るまいをし、悪評が絶えなかった。プロヴィデンスの老婆達があからさまに仄めかすところによれば、ポールの祈りはまっとうな時刻に行われる事もなければ、まっとうなものに対するものでもなかったという。 父のエティエンヌが死亡してのち1730年代に、何らかの騒乱――恐らくは彼の行状への私刑――がプロヴィデンスで起こり、その後は家族ごと行方が知れなくなった。 彼の家の裏手の墓地には、1763年に商人ウィリアム・ハリスが家を建てたが、住人の変死や怪異が相次ぎ、「忌み嫌われる家」として知られるようになった。 『忌み嫌われる家』の語り手は、伯父のエラヒュー・ウィップルと共に家の怪異に挑んだ。「忌み嫌われる家」の地下室の剥き出しの地面にうかぶ奇妙な白い模様の下に眠る、私刑によって殺され埋葬されたポール・ルーレの死体に霊魂が残り、家やその周囲から生気をすする吸血鬼のような存在と化していると推論する。ウィップル伯父を魔物の手によって失ったものの、地下室の下に眠るものを発見し、硫酸によって消滅させ、家にわだかまる呪いは消し去られる。 地下室の下の地面で目撃されたものは、生臭い半透明のゼリーのような、人間の肉体の一部――直径2フィート(約60p)もある巨大な
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H・P・ラヴクラフト『忌み嫌われる家(The Shunned House)』 |
レイク (Lake/特になし) |
特になし |
不明 |
不明 |
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H・P・ラヴクラフト『狂気の山脈にて(At the Mountains of Madness)』 |
ジョージ・ロジャーズ (George Rogers/特になし) |
特になし |
不明 |
不明 |
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H・ヒールド&H・P・ラヴクラフト『博物館の恐怖(The Horror in the Museum)』 |